◇◆あじさい◆◇
とっつぁんママは、私の元へ戻ると何も言わず隣に座った。



『…ママ…?』


私は、やっと言葉をクチにした。



とっつぁんママは、私の手をスッと握り、その力は徐々に強くなった。


その手から、とっつぁんママの震えが伝わった。




『…風花ぁ…。

先生ね、

あの子…

もう、

歩けない…って、

言うの…。



…どうしてぇ…?』






その言葉は、
私の体を硬直させた。





隣で泣き崩れる とっつぁんママに、何一つ、声を掛ける事が出来なかった。
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