◇◆あじさい◆◇
次の日…、


とっつぁんが迎えに来て、2人で母の病院へ向かった…。


バスに乗ると、とっつぁんはしっかり私の手を握った。


私の心境をわかってくれていたかの様に…。




とっつぁんは何も話さなかったけれど、隣に居てくれるだけで、私は安心感を持てた。





病室の前に着くと、とっつぁんは繋いだ手をそっと放し、優しい目を向けた。



『行ってこい!』


小声で言うとニコッと笑った。




私は、とっつぁんが見守る中、ゆっくり病室の扉を開いた…。
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