PRINCESS story
「…ほっといてくれ」
「ほっとけない」
妻なのに、一緒に住んでるのに、ほっとけるわけないじゃない……
それに、沙穂さんと約束したから。
私は、あなたの側であなたを支えるの。
それが、今の私に出来ることでしょ?
「俺の気持ちなんて誰にも分からない。
誰にも…」
奏斗、そんな苦しそうな顔をしないで。
私も……
「分かる…」
お母さんの時、そうだったから。
大切な人を失った辛さ、私には痛いほど分かる。