それでもおまえらは、俺を合コンに誘うのか?
 和俊の一球目が放たれる。ふっ飛んでくるボールに愛美は……、



 全く恐怖を感じなかった。



 速い。確かに相当速い。だが、怖いかと問われると、答えはノーなのだ。

 リトルリーグやソフトボールの経験者である愛美には、恐怖を感じない理由が直ぐに解った。



 ボールが全く走っていないのだ。スピードは速いが、棒球なのである。



《打てる!》



 今度愛美は、自信満々でスタンスを作った。









 二球目が来る。先ほどの球より、若干遅い感じだ。

《変化球かもしれない》

 そう判断し、見逃すことにする。

 案の定外高め一杯のストレートに見えたそのボールは、愛美の手前で右側に滑った。いわゆるカットボールである。

《はあーっ、振んなくてよかったー》

 勝負続行。三球目が来た。速球派によくあるゆったりゆったり、ゆっくりゆっくりなモーションであるため、タイミングも取りやすい。

《来た! 初球と同じスピード!》

「やあぁぁぁ!」

 雄叫びをあげながら愛美がスイングを開始する。



< 28 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop