それでもおまえらは、俺を合コンに誘うのか?
「???」
稲葉の指示に全く訳が解らないと言うような顔で渋々従う。
「おーい剣持! 三田村が打席入るから、普通に勝負してみてくれ!」
稲葉が言下にその旨を伝えたため、愛美にはもう打席に入るしか道がなくなってしまう。
「ごめんねぇ。監督が何がしたいんかはよう解らんけど、こがぁなことんなってしもうたけえ、お手柔らかにねぇ!」
バットを手に左打席に入った愛美は、不安げな顔で手加減を求める。
「剣持! これは適正試験だからな! 手抜いたらずっとスタンドだぞ!」
これでもう、和俊からの手加減は望めなくなってしまった。
《監督……、一生呪っちゃるけえね……》
稲葉に呪詛を向けつつ、びくびくしながらもスタンスを作った。
《あの構え……、まるっきりのド素人っちゅう訳でもなさそうなのう……》
和俊は愛美に対してそう判断する。
ワインドアップに入る。
右脚を踏み出し、腰を回す。
《何があっても恨みっこ無しでよ!》