それでもおまえらは、俺を合コンに誘うのか?
「剣持! 手加減無しやで!? 俺もおまえもアピールチャンスやねんからな!」

 言われるまでもなく和俊もガチガチの本気モードに入っている。

「おう。ワリャあクルクル回したるわい!」

 売り言葉に買い言葉で応えた。









 速球に強い。

 だが、自分は速球系しか投げられない。

 ピッチャーなら一度はぶつかることになるだろう、【相手の嫌いな球を持っていない壁】に阻まれてしまった和俊は、必死に組み立てを考える。

「どないしてんねん、剣持ぃ! ビビって身動きもとれんのか!? 早よ俺をクルクル回してやぁ!」

 長い間合いに焦れたのか、永富は野次を飛ばし始めた。

《気の短いやつみとうなのう》

 まず最初の気付き。

 相手を知れば知るほど、自分のほうが優位に立てるのだ。

 内側高めにストレートのサインを出す。

 振りかぶってボールを投げる。

 そのボールは、ストライクゾーンから外れ、永富の身体スレスレへと唸りをあげてすっ飛んでいく。

 暴投に近い球となったが、決して失投ではなく、狙って投げたボールだった。

 避けられる範囲内に、避けないとぶつかる球。

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