それでもおまえらは、俺を合コンに誘うのか?
 解らない。

 いよいよもって、解らない。

 監督の指示で部室に引き篭り、教本を何度も読み返して、欠点の修正には成功した筈だ。



 現に監督がぶつけてきた刺客も、愛美から永富へとランクアップしている。

 フォーム矯正自体は間違い無く成功しているのだ。



 にも拘わらずこのザマである。

 どうしても、答えが出てこなかった。

「すんません、解りません……」

「そうか、君にも心当たりは無いか……。じゃあその答えを見付けることが高校三年間での課題だね。スパンの長い話だが、一緒に探していこう」



 その答えは稲葉からも出てこなかった。









「はい、みんな集合!」

 稲葉が100人に招集をかける。

「今日の部活締めるよ!」

 監督からの終了宣言に、坊主頭のガッシリした少年が「ありがとうございました!」と脱帽一礼する。

 練習着には【山田】と書かれてある。

 どうやら彼が主将のようだ。

 和俊も含む残り102人が山田主将に倣って稲葉に脱帽一礼する。

 こうして形の上では、和俊の岡山城東商野球部員としての初日が、終わりを告げた。









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