それでもおまえらは、俺を合コンに誘うのか?
「答えあたしにゃあ出せたで」

 偶然帰る方向が同じだった愛美が、突然切り出した。

「剣持君は球が軽いんよ。まあ、なんで軽いんかまでは解りゃあへんけどね」

 言われてみれば思い当たる節も無くはない。

「じゃけど、監督の求める答えはその先じゃないんかのう?」

 その先の答え、それは【なぜ球が軽いのか】ということ。

 今の段階で自分の身体能力で生み出すことのできるエネルギーを総動員しているのだから、これ以上の追究などできる筈も無い。

「ゆうちゃ悪いけど、なんかもう、身体的な欠陥が有るとしか思えんのんよ……」

 愛美が切り出した。

 この言葉は、事実上の戦力外通告に相当するものだ。

 和俊としては受け入れる訳にもいかない。

「でも永富って、監督の秘蔵っ子じゃろ? 元々パワフルなやつなだけなんじゃないんか?」

 辛口の稲葉が、「相手が永富だったからしょうがない」とまで言っていた男なのだ。

 その可能性は充分に有り得る。

「それは無い。だって永富君、全然パワー無いもん」

 和俊の心の寄り所を、愛美はたったの一言で崩壊させた。

< 49 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop