最恐彼女と一途な彼氏


「これから先、弥生みたいな子には出会えないだろうなって思ってた。なのに…」


「太一くん?」


「……うん。太一も、普通に私に『憧れてる』とか言っちゃって……。その頃みんなは私のことを恐れて近寄ろうともしなかったのに………私、太一に出会ってから人に対して怒鳴ったりすることが減ったと思う。だから太一には感謝してるの。
今は太一のおかげで普通にクラスの子と喋れてるし」


「それは太一くんには伝えなくていいの?」


「でも……」


「私は結菜の本心が聞けてほんとに嬉しい。最初はね、不安だったの。
『坂井さんって1人で居るのが好きなのかな…』とか
『もしかしたら私のことウザいって思ってるかも…』とかね。
でも徐々に自分のこと話してくれるようになって、すごく嬉しかった。それからは、『結菜の1番の理解者は私だ』って1人で勝手に盛り上がって……
でも……太一君と出会ってから結菜は変わった」



.
< 63 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop