夏の約束
「僕ね、来週手術するんだって
それでそれまで外出るなって」
「そ、なのか」
「うん
勇希に言おうと思ったんだけど、時間なくて」
俺はそれに少々安堵し、ベッドの隣にある備え付けの椅子に座った
「手術したら元気になるんだろ?」
そう言いつつ、俺は金米糖をランドセルから出した
「友達に貰ったんだ
一緒に食べようぜ」
翔はうんと頷き、金米糖を袋から口に移した
「勇希」
不意に呼ばれ、俺は金米糖を食べる手を緩めた
翔はこちらをまっすぐに、悲しそうな目で見ていた
「来週の手術、成功するかわかんないんだ」