夏の約束
二人でたくさん遊んだ
色々なことをした
俺も楽しかった
学校の友達と放課後遊ばず、真っ先にここに来るくらい
なのに
「…なんでだよ」
唐突な俺の返答に、え、と翔は疑問符を出した
「俺も楽しかったよ
でもまだだろ」
俺は立ち上がり、翔の目をしっかり見据えた
「まだまだ遊ぶこといっぱいあるだろ
今、お前から手術したら元気になるって聞いたとき、俺いっぱい考えた
翔が退院したらどこ行こうとか、今の季節なら海かプールかなとか、その後も、秋も、冬も、春も
それでまた夏がきてって
なのに、翔が元気になること考えてるの俺だけかよ
当の本人のお前は、そんなこと思ってないのかよ!」
言いたいことを全部言い切った俺は、はあはあと息を切らした
ちょっとだけ滲んだ目を見られたくなくて、椅子に座り、翔のベッドに顔を突っ伏した
腕で顔を覆い隠す