夏の約束
こんなことを言うつもりではなかった
ただ、今までのことで満足してしまっている翔を見て、やりきれない気持ちになったのだ
そして、実は手術の成功を心配してる自分に苛立ったのだ
先ほどの言葉も、素直に信じれない自分に言い聞かせたのだ
「…うん、ごめんね」
こんなことを言うつもりじゃなかった
「ごめん」
こんなことを言わせるつもりじゃなかった
「ごめん…」
俺は突っ伏していても、翔が泣いてるのが分かった
せめてと思い俺は堪えてみたが、翔の涙どころか自分の涙さえ止められなかった