夏の約束
どのくらいそうしていたかは分からないけれど、気づけば高かった日はすでに赤く染まり、白の病室を侵食していた
俺は突っ伏したまま少し顔を動かし、翔の顔を見上げてみた
目の回りは赤くなり、悲しそうな目で俯いていた
その様子を見た俺は今更ながら、よく分からない罪悪感に襲われた
手術するのは俺でなく翔なのに、心配をさせてしまったのではないか
大丈夫だって、言ってあげなくちゃ
大丈夫じゃない自分も、動けないしな
「…翔」