夏の約束
そのとき、ガラガラというドアが開く音が響いた
俺はばっと振り向いた
そこにいたのは、俺が翔の病室の場所を聞いた看護士だった
「そろそろ面会時間が終了なのだけど、いいかしら」
俺は頷き立ち上がった
ランドセルを背負い、金米糖は近くの机の上に置いた
もともと翔のために持ってきたものだったから
そして俺が病室から出ようとドアに近づいた時
「勇希」
背中に声がかかった
「また、明日ね」
その言葉を聞いて、また涙が滲んできた
それがばれないように、声は出さずに翔に見えるように頷いて見せた
そして俺は病院をあとにした