【完結】キミと運命と裏切りと涙。
「はーい」
明るい声が聞こえてきたあと、玄関から家政婦らしき人が出てきた。
「あら、あなたこの前の……」
「こんにちは。……あの、笹川に逢いたいんですが」
「……すみませんが、お嬢様はいま誰にも逢いたくないとおっしゃっています」
「……え?」
「お嬢様は帰ってきてからずっと様子がおかしくて、"一人になりたい。誰にも逢いたくない"とおっしゃっておりました」
「……そうですか」
「……すみませんが、今日はお帰りください」
「……わかりました。失礼します」
「あの……ちょっと待ってください」