【完結】キミと運命と裏切りと涙。
「…………」
「でも先輩に出会ってから、その考えは少し変わりました」
「……え?」
「運命って……ほんとにあるのかなって思えたんです。先輩に出会ってから」
「えっ」
「……人間は残酷だと思ったけど、そんな残酷な人間を助けてくれる人も居るんだってわかったんです」
「……それって」
「人間はなにかを失った分だけ温もりを求めようとする。……これってもしかしたら、あたし自身のことだったのかもしれませんね」
「笹川……」
「あたしも所詮、残酷な生き物です。だから大切なものを失ってみてわかりました。……誰かの温もりがこんなに温かいことを」