【完結】キミと運命と裏切りと涙。
「……行ってきます」
「麻衣、忘れ物よ」
「え?」
「はい。お弁当」
「……ありがとう。行ってきます」
「気をつけてね」
「……うん」
でもいまは、お母さんのことを少しずつだけど理解できるようになってきた。
お母さんもあたしのことを少しずつだけど、理解できるようになった。
あたしたちの絆は一度失ってしまったせいで、なかなか世間一般のような親子のようにまだ深くはなってはない。
まだまだ"親子"には程遠いけど、いまは少しずつだけど絆が深まっているかもしれない。
早く心の底から笑えるように頑張りたい。