【完結】キミと運命と裏切りと涙。







「……っ、なんでっ」


「え?」


「なんでそこまであたしのことを気にかけてくれるの?……知らないフリしてスルーしてくれればいいのに」


「……そんなこと俺にはできない」


「どうしてよ。……お願いだから知らないフリしてよ」


「それはできない。お前がかわいそすぎて見てられないから」


「あたしのことなんてみんなどうでもいいのよ。……お願いだから知らないフリして」


「こんなになるまで傷ついた人間をほっとくことなんてできるかよ」


「……お願いだからそんなに優しくしないで」


「え?」


「……そんなに優しくされたら、頼りたくなるからやめて」
< 64 / 544 >

この作品をシェア

pagetop