狙われし王女と秘密の騎士

守衛らは顔を赤くして怒鳴り付ける。


「お前なんて切ってやるわっ」
「後悔させてやる!」


そう言い捨て、守衛らは一斉に走ってくる。
その瞬間、カイルは腕にいた守衛を奴らの方に思いっきり突き飛ばした。
その弾みで数人がその場に倒れる。


「走れっ!」


カイルの鋭い声に私は弾かれたように走りだす。
倒れている守衛の間を走り抜け振り返ると、後ろではカイルが守衛と剣を交える音が響いていた。
廊下を反対側まで走り、突き当たりを左の廊下に入る。

しかしそこもあっという間に突き当たりになり、足が止まる。
と、その時、後ろから来たカイルがグイッと私の腕を引っ張り、横の部屋に滑り込んだ。



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