狙われし王女と秘密の騎士


「ルカ……ルカはどこにいるの!?」


他の牢を見渡すがルカの姿はなかった。
最悪のことを想像して真っ青になる。


「ルカはいない。多分、サルエル国王の所だろう」


サルエル国王の?
なぜルカだけがサルエル国王の元にいるというのか。
私はカイルを見上げた。
すると、カイルは厳しい顔のまま頷く。


「どうやらお前が来るのはお見通しだったようだな。弱い女性のルカを側においてお前を呼び寄せるつもりなのだろう」


サルエル国王はルカが私の側近の侍女であるとわかった上で、ルカを呼び寄せる材料にしたのだ。


「お父様。私、ルカの所へ行く」
「私も行こう」


父王は倒れている兵士から剣を抜き取る。
そして私達は今度は上に上がって行った。


サルエル国王がいるだろう、玉座の間へ。











< 157 / 201 >

この作品をシェア

pagetop