狙われし王女と秘密の騎士

この町にエルシール国王が留置されているという噂は町の人みんなが知っているようで、おばちゃんの言うように、行く先々に話を聞かされた。
この町の人達は噂好きで野次馬的好奇心が強い。
私達がエルシールから来たと話すと皆同情的だがそれにまさる好奇心の強さが窺えたのだ。

そして噂を聞き続けた結果。

やはり、お父様は生きて牢にいる。
そう強く思うようになっていった。


「噂が本当なら陛下も姫も無事みたいだぜぇ」
「カイル。どうにかならないかな?」


宿の部屋の中で、私は噂に確証を感じ、気持ちがソワソワしていた。
お頭もいつもより落ち着かないのか、声のトーンが高い。


「どうにか、ねぇ」


反面、カイルは低く呟く 。


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