ハートを狙え!【先輩とあたし、秘密の練習】
着いた先は、近所の公園兼野球場。


と言っても、ベースなんてなくて、小さめのフェンスと粗末なピッチャーマウンドがあるだけ。


先輩は持参のバッグから、バケツ一杯のボールと、ストライクゾーンが4分割されている的を取り出した。


それから走ってフェンスに行き、的をくくりつける。


「あたし、何をすればいいですか?」

「投球フォームを見てて欲しいんだ」

「先輩、最近変えましたよね?」

「よく分かったね」

「毎日見てますから!」


先輩は柔らかく笑うと、ゆっくりとマウンドに立った。


< 4 / 17 >

この作品をシェア

pagetop