ハートを狙え!【先輩とあたし、秘密の練習】
月明かりが先輩を照らす。


まるでスポットライトを浴びているようで。


そこは間違いなく、尊先輩の場所だった。


先輩はスッ、と一度静止して胸の辺りにグローブを構える。


それから一転、高く足を上げ踏み出す。


長い腕を大きく振りかぶり、流れる様なサイドスロー。


手から離れたボールは、キレイなバックスピンで、的の右上に音を立てて当たった。


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