キケンな幼馴染み。
「僕…強くなりたい」


ある日、悠くんは小さな声で言った。

そんなことを言ったのは初めてだったからよく覚えている。


「大丈夫だよ!私がいるから!」


私がそう言うと、悠くんは首をふった。


「僕、みゅーちゃんを守れるくらい強くなりたい…ううん、絶対なってやる」


初めて見た悠くんの強い目。


「…そっか。じゃあ楽しみにしてるね」


そう言って、私は笑いながらまたこぼれた涙を拭った。
< 19 / 227 >

この作品をシェア

pagetop