愛なんて…
「よッ・・・セツナ!また屋上にいたんだろ?・・・ってもしかして最中だった?」


ロウ君の軽い発言にみんなの視線がイヤでもロウ君が指さすオオツカ君のベルトに目が行く・・・途中でも終わっててもベルトくらい絞めればいいのに・・・

それに答えないままオオツカ君は低いハスキーボイスで第一声を発した


「席は・・・?」


ロウ君は「そこ」ってアゴでオオツカ君の席を差した

窓際の前から3番目・・・私の隣・・・  


彼はその席に座ると前の席の男子にはお構い無しに机を前に力一杯ずらし・・・嫌味のごとく長い足を組んだかと思えば・・・教室だってのにお構い無しにタバコに火をつけた・・・。


「マジ・・・ヤバイ」


ボソリと呟いたサヤカの声に反応した彼は横目でサヤカを睨んだとたん空気が動いた・・・


先に動いたのはショウゴで立ち上がりサヤカの前に・・・でもオオツカ君は何も仕掛けてもこなかったし・・・何も言ってもこなかった・・・。

 
教師が居ようがタバコを消さない彼にも・・・そんな生徒を見て見ぬふりする教師にも驚きと・・・呆れ・・・


ここは何処まで馬鹿げた世界なんだろう・・・



この日オオツカ君はいつの間にかいなくなってて・・・放課後には彼の新しい噂でいっぱいだった。
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