愛なんて…
それは…一瞬だった…
30秒を告げたロウ君からオオツカ君に視線を移した…瞬間
宮川が廊下に弾け跳んだ!
『えっ…!?』
腹部を蹴ったと思われる左足が床に着くと同時に…右拳が宮川の取り巻きにヒット…そのままの勢いで半回転し、左腕を一人の首下に…
すべてが一瞬…一撃で倒れていく…まるで電池が切れた玩具みたい…あまりに呆気ない光景は私が今まで見てきた喧嘩とは違い過ぎて…目が離せない
男達の罵声も気合の声もない…食いしばり歪んだ表情もない………まるで踊ってるかの様なオオツカ君の姿…
人が血を流して倒れてるのに…オオツカ君は…『楽しそう』
「…笑ってる………」
何も映してなかった瞳が…キラキラと輝いて見えた
言葉すら発せず一文字に結ばれた唇が…やんわりと上がる口角から見える白い歯
「マジかよ…11人相手に、2分38秒…明日の晩飯はオレのオゴリかぁ」
『!……?』
ロウ君の声で思考が戻った瞬間…オオツカ君がこっちを見た………?
上がった唇のまま絡まる視線…いつも隠れた左目が髪の間から現れる…真っ黒な瞳…
ブラックホールみたいな深黒の瞳に捕らわれ…まるで蛇に睨まれた蛙…動くことも、瞬きをすることも…息をすることさえ出来なかった
次の瞬間…オオツカ君は背を向け歩き出していた…
きっと一瞬だっただろう絡まった視線…なぜか私は、限りなく永い時間に感じた…
30秒を告げたロウ君からオオツカ君に視線を移した…瞬間
宮川が廊下に弾け跳んだ!
『えっ…!?』
腹部を蹴ったと思われる左足が床に着くと同時に…右拳が宮川の取り巻きにヒット…そのままの勢いで半回転し、左腕を一人の首下に…
すべてが一瞬…一撃で倒れていく…まるで電池が切れた玩具みたい…あまりに呆気ない光景は私が今まで見てきた喧嘩とは違い過ぎて…目が離せない
男達の罵声も気合の声もない…食いしばり歪んだ表情もない………まるで踊ってるかの様なオオツカ君の姿…
人が血を流して倒れてるのに…オオツカ君は…『楽しそう』
「…笑ってる………」
何も映してなかった瞳が…キラキラと輝いて見えた
言葉すら発せず一文字に結ばれた唇が…やんわりと上がる口角から見える白い歯
「マジかよ…11人相手に、2分38秒…明日の晩飯はオレのオゴリかぁ」
『!……?』
ロウ君の声で思考が戻った瞬間…オオツカ君がこっちを見た………?
上がった唇のまま絡まる視線…いつも隠れた左目が髪の間から現れる…真っ黒な瞳…
ブラックホールみたいな深黒の瞳に捕らわれ…まるで蛇に睨まれた蛙…動くことも、瞬きをすることも…息をすることさえ出来なかった
次の瞬間…オオツカ君は背を向け歩き出していた…
きっと一瞬だっただろう絡まった視線…なぜか私は、限りなく永い時間に感じた…