愛なんて…
「………キ……ツバキ?どうした?」


ショウゴの声で我に返る…心配そうに覗き込まれ…慌てて「大丈夫」と返すだけで精一杯だった…


何もかも見透かされそうな瞳だった…隣の席の彼とは何度か目は合っていたのに…


何も映してないかの様な彼の瞳は…右目は…色素の薄い茶色い瞳に見えてた…


なのに…今日見た彼の左目は…まるで別人…


「オオツカって…喧嘩…強いんだね………ショウゴ?」


「ヤバイな…あいつ笑っとった…マジかよぉ」


「でもさぁ…終わってからこっち見たでしょ?ツバキと見つめ合ってた…っぽいけど?惚れた?惚れられた?なんか…ドッキン的な感じ?強い男に女は弱いもんねぇ」


み、見つめ合ってた…?


「えっ…?私が…ナイナイ、絶対ない…圧倒されて動けなかっただけだよ…オオツカ君も私の間抜け顔にビックリしたんじゃない!!」


「そう…」なんて少し残念そうなサヤカ・・・


「てか…ツバキい、えぇ加減に誰でも『君』つけて呼ぶのやめろ…舐められる…もっと強気でおれ」


ショウゴさん…今ですか…今説教するか…







そんなこんなでこの日は帰ってサヤカと今日のオオツカ君…改め、オオツカをコウ兄に報告することに・・・


サヤカが嬉しそうに見つめ合い勘違いを、コウ兄に伝えたことは言うまでもない…
< 23 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop