愛なんて…
「ツバキ・・・ツバキ? 式、終わったよ!教室戻るよ。」

腰まである髪を弾ませてキラキラしたサヤカの笑顔に ウン とだけ答えて歩き出した。

「毎年ワルガクの入学式ってさ・・・生徒が半分以下なんだって!
な・の・に今年は9割が出席してるんだって!!なぜだかわかる?」

得意気に話すサヤカに首を横に振りながら、答えを求める・・・


「四天王! みんな四天王が見たくって学校に来てるんだよ!」

〈四天王〉仲間のショウゴもその一人・・・コウ兄も何代か前の〈四天王〉・・・

「でも、ショウゴまだ・・・【・・ザワザワ・・・・】


1年1組・・・自分のクラス前

話を遮ったのは教室内や出入り口を塞ぐ、人集りと・・・どよめき



「ちなみに、四天王の4人全員・・1組なんだよね・・・つまり同じクラス!」


笑顔の横で一本指を立ててるサヤカの、情報収集の速さのほうが私は驚きなんですけど・・・

とりあえず人集りを掻き分けサヤカと共に教室へ入ると・・・

ショウゴとケイゴに向き合う形で二人の男


金髪をふわりと後ろに流した顔立ちのハッキリした男は二重のつり目をショウゴから離すことなく瞬きすらしていない・・・

その隣でサラサラと音がしそうなほど真っ直ぐな黒髪ショートヘアの男は芯の強そうな雰囲気を纏いながら女から見てもキレイって見惚れてしまうほどの微笑みで笑った


何がおこってるのか解らない私たちを他所に・・・誰かの小さな話し声が後ろから聞こえた










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