拘束お姫様 *番外編開始



誰ひとり、返す言葉が出なかった。
ただ呆然と、その場に立ち竦んでいる。


「ではこれで僕は失礼するよ。 今頃、愛しい彼女は泣いているだろうからね」


最後にそう言って、クロードは壮麗なそのホールを出て行った。


「シンデレラ。今、君を抱き締めに行くから――」


長い廊下を歩く彼の表情は、先ほどとは打って変わって、優しい表情だった。


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