迷姫−戦国時代
左肩には厳重に包帯が巻かれており、周囲の者達は忙しなく動いていた
八重は呼吸が荒くなる中、一人の男が八重の傍まで近づき深い土下座をした
「姫様、誠に申し訳ございませんでした。我々がいた中、姫様にお怪我を・・・亡き皆様に会わせれる顔がありません」
何時までも頭を上げない男に八重は先程まで血塗れの着物から着替え、包帯を何十にも巻かれた左肩を見ながら「もうよい」と呟いた
「この怪我はお前達のせいではない。それに、・・・これで国が取り戻せるのなら、大したことない。そなたも作業に戻りなさい」
男はもう一度深々と頭を下げたら、引っ越しの作業に加わっていった
八重は瞳を閉じ、荒くなった呼吸を鎮めるため、一度深く息を吹く
五年間・・・。あの忌々しい国浬張が我が国を攻め落として五年が経つ。あの戦で多くのものを失った
国、民、家臣、地位、そしてなにより、家族を失った
命だけは助かった私達は身を潜めて生活しており、私達が住んでいた城には忌々しいあの男の家臣がのうのうと住んでいるなんて考えると、反吐が出そう・・・
それくらい、私は私達から全てを奪ったあの男を酷く恨んでいる
・・・でもそれはもう終わり。あの娘を差し出したお蔭で国の権利は私の元へ戻ってくる
ああ、なんて簡単なのだろう。まああの娘には感謝だけれど、漸く私達は城に帰れるの。今か今かと待ち続けるこの高揚感は最高よ
それでも一つ、可笑しなことに
私 が こ の 国 の 当主 に な る の に 何故 神 は 姿 を 表 し て く れ な い の ?
この国の神が消えたのは、五年前の戦以降から。何故・・・何故なの?
分からない
それと同時に家臣の張り上げた声が耳に響いた
「−−−!」
八重は呼吸が荒くなる中、一人の男が八重の傍まで近づき深い土下座をした
「姫様、誠に申し訳ございませんでした。我々がいた中、姫様にお怪我を・・・亡き皆様に会わせれる顔がありません」
何時までも頭を上げない男に八重は先程まで血塗れの着物から着替え、包帯を何十にも巻かれた左肩を見ながら「もうよい」と呟いた
「この怪我はお前達のせいではない。それに、・・・これで国が取り戻せるのなら、大したことない。そなたも作業に戻りなさい」
男はもう一度深々と頭を下げたら、引っ越しの作業に加わっていった
八重は瞳を閉じ、荒くなった呼吸を鎮めるため、一度深く息を吹く
五年間・・・。あの忌々しい国浬張が我が国を攻め落として五年が経つ。あの戦で多くのものを失った
国、民、家臣、地位、そしてなにより、家族を失った
命だけは助かった私達は身を潜めて生活しており、私達が住んでいた城には忌々しいあの男の家臣がのうのうと住んでいるなんて考えると、反吐が出そう・・・
それくらい、私は私達から全てを奪ったあの男を酷く恨んでいる
・・・でもそれはもう終わり。あの娘を差し出したお蔭で国の権利は私の元へ戻ってくる
ああ、なんて簡単なのだろう。まああの娘には感謝だけれど、漸く私達は城に帰れるの。今か今かと待ち続けるこの高揚感は最高よ
それでも一つ、可笑しなことに
私 が こ の 国 の 当主 に な る の に 何故 神 は 姿 を 表 し て く れ な い の ?
この国の神が消えたのは、五年前の戦以降から。何故・・・何故なの?
分からない
それと同時に家臣の張り上げた声が耳に響いた
「−−−!」