迷姫−戦国時代
「美羽様・・・貴女様に救われたこの命、貴女様のために生きていきます。どうか・・・」
美羽にひざまずいて話ている少年に美羽は立ち入り

「私のための命と考えるのではない。己は己自身の物、貴方に何が合ったのかは私は知りません。ですが後悔を残したまま死ぬなんて馬鹿な事はするでない、死んだ後では何も出来ないのです。生きてれば償いでもなんでも出来るでしょう。だから貴方は生きるのです。そして二度と後悔するような事をしなければ良い、ただそれだけなのです」

少年は顔を上げ自分よりも年下の少女を真っ直ぐに見つめ頬に涙をつたせながら

「美羽様に救われた命、決して無駄にはしません。何があろうと、生きていきます。俺は今此処に、美しい桜花の前で美羽様に終生忠誠を誓います。何処までも貴女様についていきます」

美羽は屈んで少年の手を両の手でしっかりと支え優しく微笑み









     「終生着いて来なさい」














今此処で桜花の前で二人は終生の約束が交じわれたのであった







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