迷姫−戦国時代
馬を引くなか、宮火は別の道へと歩んでいた。そんな宮火の考えに眉を潜めた藍はこの道であっているのかと聞く前に「大丈夫だ」と言いきる宮火に対し大人しく後ろに続いた





暫くし、立ち止まった宮火は懐から白い紙を出し、何を思ってか後ろにいる藍へと振り向いた


「次は、何処の国に向かうんだ?」

「浬張だから、西に向かうから次は江井(えい)の国だな」


そう頷いた宮火は紙に更々と書けばそれを小さく纏め手に持ったと同時に反対の手で木を掴み次々と上へと登っていった

そして木の窪みらしき所にしまえば地面へと降りてきて、木の表面にクナイで切り傷の様に見せ掛けて傷を付けた





「用件はもうすんだのか?」

「ああ、行こうか。これから身元を隠して商人として行動をしてもらいたい。手数かけるが申し訳ない」

「私も忍だ。そのくらい容易い事だ」

素っ気なく返す藍に宮火はまあそうか、と納得し馬の頭の撫でれば嬉しそうに嘶くのが聴こえた。姫・・・美羽はこの馬に誰よりも好かれていたなと思いながら宮火は手綱を引き出した


その横に藍が並べば彼女の綺麗な黄金色の髪が風に流れる様に揺れた


宮火はその姿が異様に脳内に焼き付いたのだった
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