☆フードつきパーカ
大会当日――――
「うっわ、すごい混んでる。」
お気に入りの紫のパーカを羽織って、リボンのついたフードをかぶって。
結局、来てしまった……。
というものの、どうしよう、どこで見れば良いのー?!
戸惑って、ちょろちょろしていると、声が聞こえた。
「あ、ぱーこ!!見に来たの?こっちおいでよ!!!」
一年の時、同じクラスだった、まゆだ。そっか、まゆはバスケ部だ!
今日は男子の試合だから、女子は個人的に見に来てるのかな。
「まゆー!!良かった、1人でどうしようかと思った!こーゆーとこ初めてで…。」
まゆのところへ駆け寄ると、試合がよく見えた。
あ、月だ!
「上原くん見に来たの?」
「いや、見に来たっていうか、意地を張られて応援に来たっていうか…。」
「まぁ、理由はどうであれ、上原くんすごいよ。一年の時はそうでもなかったのに、二年になってから、急にエースの座奪っちゃうんだもん。他のメンバーも必死だよ。」
へぇ、そうだったんだ。全然知らなかった。
「あ!!!」
体育館全体から歓声がわいた。
月が点を決めたんだ!!!!