狂愛ゴング
どれだけウワサされて、見知らぬ他人にどんなことを言われたって、私は気にしない。
そんなものには慣れてしまったし、私も知らない人間なのだから、憶測とうわさ話だけを頼りに話すことは仕方ないとさえ思っている。
私の仲のいい友人からならば、なにを言われたって正しいから、気にしない。
私のことをよく知っているのならば、その言葉はその人が私自身を見て感じて判断したことなのだろうと思う。
ただ、一番許せないのは、好奇心で関わってきて、知ろうとするような態度を取っているくせに、全く知ろうとせずにうわさ話を真に受けて、それを笑いものにする人たちだ。
私を知ろうという体で話しながら、内心は自分の中で作り上げた“私”としてしか見てこない人たち。
関わってきて、だけど相手を見ようともしないで、なにもかも知ったかのように口にする人間は大嫌いだ。
それが新庄のことであろうとも。
あのクソみたいな男のことであろうとも。
仮にも付き合った相手、告白した相手なのならば、それなりの言葉があっていいんじゃないの?
「そんなんだから、新庄みたいな最悪の人間にも、付き合いたくないって思われたんじゃないの?」
じろりと睨みつけながらそう告げる。
彼女は目を丸くして、大きな瞳は私を真っ直ぐに見つめてきた。彼女の黒目には、自分のえらそうな顔が映っていた。
と、同時にじわじわとその瞳が潤みはじめて、そして。ぽろり、と涙がこぼれ落ちる。
「……え……?」
え? このタイミングで泣く!? え! なんで!
あれ? 言い過ぎた!? 言い過ぎたの私……!?