狂愛ゴング


「災難だったねー」

「ほんとだよ」


SHR前の短い休み時間。
泰子は私のそばの机にもたれかかって呆れたように笑った。


保健室に行って、そのあとたっぷり先生にお説教をされて。
お弁当放置のまま5時間目をサボる羽目になった。

多分先生は暇だったんだろうと思う。その相手をさせられていたに違いない。その証拠に化学室でお茶とまんじゅうもらったし。

おいしかったけど、説教は勘弁して欲しい。
あとおまんじゅうはひとつ300円以上の美味しいやつがいい。コンビニの饅頭は皮が無駄に厚くてなあ……。


そんなこんな6時間目の直前に慌てて教室に戻って、やっとHR前に一息つく時間を手に入れた。
あーもう本当についてない。まんじゅう以外はついてない。コンビニまんじゅうだけど。


「だから無視したらよかったのに。ガラス片付けたの私なんだけど」

「だって……」


泰子の小言にぷくっと頬を膨らますと、「かわいくないよ」と言われた。失礼な。

確かに無視をすればよかったとは思う。

ガラスを割って、先生に説教された、っていうのももちろんだけれど……彼女を泣かせてしまった、というのもある。

なにが理由か分からないにしても、私の言葉で彼女は泣いた。
泣かすつもりは、なかった。ムカつく気持ちと思ったことを吐露しただけだ。

傷つけようだとか、泣かせようと思って言ったわけじゃなかった。
それでも、傷つけたことには変わりない。


「あー本当にイヤになる。自分の性格に」

「話、よく聞こえなかったけどさー新庄くんをバカにされたから怒ったの?」

「ち、が、う」


さすがにそれはない。

顔をがばっとあげて強い口調で告げると、泰子は「はいはい」と言うだけ。
絶対信じてないし!
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