パステルクレヨン



「玉置は、優しすぎるんだよっ!鳴海さんなんて、浮気したっていうか、玉置が浮気だったんだから!まだ彼氏と切れてないまま玉置の告白を受けたんだから!」


…もう発狂しているみたいになっていた。


声は裏返るわ、顔はぼろぼろだわで玉置の胸をドンドンと叩く。



「……知ってるよ」


静かに玉置があたしの手を掴んで押さえる。


「本当は、ヒロコからあれ聞く前にもう俺、知ってたよ、全部」


は…?


「じゃあなんで…っ」


「それでも、鳴海が好きだと思ったんだよ」




――あぁ、恋って盲目だ。


でも、盲目じゃなければ、恋してる、なんて


言えないんだろうな。





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