ただ、大好きでした。



周囲に気付かれない程度に、ほんの少し、肩を落として。



カツン、カツンと。エンジニアブーツの踵を鳴らして、ボブヘアーの髪を揺らして、


歩いていく。





何日も前から、迷いに迷ってたくせに、結局は、少し丈の長いニットにショートパンツ。


その上に、さらりとコートを羽織っただけの、だいぶラフな格好。





食べ放題ってこともあったけど、今日集まったメンバーは、ほとんどの人が、嘗てのあたしの気持ちを、知っていたかも、しれないから。



変に、はりきりすぎてるって、思われたく、なかったの。








…なんて、いらないプライド。




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