あの空の向こうで…
私が、先に帰った日から冬葵はあまり学校に来なくなった。
なぜなら、あの日以来、冬葵は熱を出して風邪をひいたりと、体が弱くなってしまったからだ。
私は、心配で毎日お見舞いに行っていた。
そして、今日も冬葵の家に向かった。
ピンポーーン
ガチャ!!!
チャイムを鳴らすと同時に冬葵のお姉ちゃんの雪菊姉(ゆきねぇ)が出てきた。
「えっ、雪菊姉!!!今日も来たんだけど……。」
「ごめんねぇ、唯ちゃん。今日も風邪が酷くて、会えないの。まあ、中に入って。」
「はい………。」
私は、雪菊姉に続いて家に入った。
リビングまで行くと、冬葵のお母さんの柚柑(ゆか)さんとお父さんの梓樹(しき)さんがいた。
「柚柑さん、梓樹さん。今日も来ちゃいました。会えないけど………。」
「毎日、毎日ありがとうね。」
「ほんと、ありがとうな。」
「いいえ。」
と、柚柑さんと梓樹さんと話していた。
すると、リビングの扉の向こうで誰かが通った。
「えっ……………!!」