あの空の向こうで…

私が、先に帰った日から冬葵はあまり学校に来なくなった。

なぜなら、あの日以来、冬葵は熱を出して風邪をひいたりと、体が弱くなってしまったからだ。


私は、心配で毎日お見舞いに行っていた。
そして、今日も冬葵の家に向かった。


ピンポーーン

ガチャ!!!

チャイムを鳴らすと同時に冬葵のお姉ちゃんの雪菊姉(ゆきねぇ)が出てきた。


「えっ、雪菊姉!!!今日も来たんだけど……。」

「ごめんねぇ、唯ちゃん。今日も風邪が酷くて、会えないの。まあ、中に入って。」

「はい………。」

私は、雪菊姉に続いて家に入った。

リビングまで行くと、冬葵のお母さんの柚柑(ゆか)さんとお父さんの梓樹(しき)さんがいた。

「柚柑さん、梓樹さん。今日も来ちゃいました。会えないけど………。」

「毎日、毎日ありがとうね。」

「ほんと、ありがとうな。」

「いいえ。」

と、柚柑さんと梓樹さんと話していた。


すると、リビングの扉の向こうで誰かが通った。

「えっ……………!!」
< 3 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop