あの空の向こうで…
1時間ぐらいすると、冬葵が起きた。
「唯榎、お前が来てるのに寝ちゃてごめんなぁ。」
「いいよ、別に。冬葵は病人なんだから、そんな心配しなくても。」
「ありがとう、唯榎。」
「いいえ。」
「てか、唯榎時間ヤバくね?」
時計を見ると、針が10時を指していた。
「えっ、ヤバい。お母さんに怒られるよ!」
私は、鞄をさっと持ち立ちあがった。
「明日も来るからね、冬葵。」
「明日はいいよ。」
「なんで?」
「唯榎、明日学校だろ。」
「あっ…。でも、休んで来る。」
「それはダメ。」
「いいじゃん!」
「だ~め!」
「分かったよ…。」
私は、結局冬葵に負けて、明日の看病はなしになった。