銭コ乗せ
「2050円がこれになった時は、ホントに絶望的だったぜ。何度も諦めかけた帰りに、あんたの言葉を思い出したんだ。」

「お前らは常に見張られてる、ってな。」

「それから俺は見張りについて考えた。見張りは、どこまで見張っているのか。
おそらく外での行動は全て監視されている。では、建物内は?
誰でも入れるような店の中は、まず監視されている可能性はある。家の中も、カメラや盗聴器が仕掛けられてもおかしくはない。
ただし、仕掛けるなら、予め、俺の行く先を知っておかなければならない。」

「俺はもちろん、あの豪邸の主人と面識なんぞまったくなかった。足の向くままに辿りついた、赤の他人の建物だ。そんなところにカメラも、盗聴器も、仕掛けられるはずがない。見張りが確認出来るのは、俺が中に入る前と、出たあとだけだ。つまり、中でのやり取りまでは、見張られてない。」
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