銭コ乗せ

―ピーン―


―パシッ―



―ピーン―



―パシッ―




―ピーン…―




―パシッ……―


「くそっ、アイヅめ…」

俺はまた、四日前のあの時のことを思い出していた。野球少年との一方的な戦いをおさめた次の日、俺は中々頭に来ていた。こうなったのも全て、あのキツネ眼のせいだ。俺はヤツを探し出して、一発ぶん殴ってやんなきゃ気が済まなかった。ふとした拍子でヤツを見付けたとき、俺はついついニヤニヤしちまった。こんな場所で、まさか偶然見付かるとは。

これで少しは、俺の腹の虫もおさまる。

そんなことで満足していた俺は


とことん甘かった。

「クソッ…クソックソッ!!」
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