銭コ乗せ
「おい、久し振りじゃねぇか。」

後ろをつけていた俺は、そう言って肩を叩くと、相手の振り向き様にぶん殴った。

俺は殴った。

ヤツの顔は、いやにハッキリ覚えていた。

殴った相手がヤツだという、自信はあった。

顔を正面から見ていれば、間違うことなんてない。人違いで、知らない他人を殴ってしまうデメリットなんて、あるはずもなかった。

間違えない自信はあった。

そして俺は、疑いもせず殴った。

スキを与えて拳銃なんか出されたら、また、ビビっちゃうからだ。


俺はとことん、甘かった。

「誰ですかあなたぁー!!僕の名前は、僕の名前は会津ですぅぅぅ!」

たっぷり膨れた顔に手をあてながら、ガッリガリの会津は俺にじわじわ、にじり寄ってきた。


間髪を入れず。

会津は拳を作って俺の頭に強く打ち付けると、俺はクッシャクシャの泣き顔を浮かべ、ただひたすらに謝った。



いや、ちょっとこれは無理があるだろ。天丼ネタもここまで来ると、わけがわからん。会津って。アイヅって誰だよ。
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