銭コ乗せ
三日ぶりの風呂に、まさかそんなに感動を覚えるとは思わなかった。シャワーから出るお湯に反応して、体の隅々がザワつく。野宿が本当に寒いことを初めて知った。

風呂から出ると、待ってましたと言わんばかりに、畳まれた着替えが脱衣所に置いてあった。僕は何度も首を傾げながら、服に袖を通すと、リビングまで不思議な気持ちで向かった。

そこでも、すでに食事が用意されており、ババアの手際のよさに、またしても僕は圧倒されてしまった。

「温まったかい?」

「あ、ああ。」

またしても気の抜けた返事が出る。

「そりゃあよかった。さあ、食べなさい。間に合わせで作ったもんだけどねぇ。」

そう言って笑うと、ババアが椅子を引いた。

僕はまたしても首を傾げたが、引かれた椅子に座ると、本人そっちのけで腹が活動を始めた。

そして、僕は無言のまま、並べられた料理を一品一品平らげていった。

「おやおや、そんなにお腹が空いてるとは思わなかったよ。」

ババアが少し目を丸くしたあと、嬉しそうにそう言った。
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