《短編》一夜の想い
『梨絵?』



俯いて何も喋らない私を心配したように顔を覗かせた。


『梨絵は反対か?祝ってはくれないのか?』


信ちゃんの目が少し悲しんで見えた。

ずるいよ。そんな顔されたら反対だなんて言えないよ。

私は意地っ張りなんだから。



「いきなりでビックリしちゃったよ。
ビックリした時って本当に言葉がでなくなるんだね。」


笑顔で言葉を発した。

きっと引きつってたと思う。

そんなことを気づかれたくなくて、精一杯明るい声で話し出した。


「マジビックリだよ。でも良かったじゃん。
みんなで御祝いしないとねぇ。

あっ!でも今日は見たいTVが有ったんだ。早くしないと始まっちゃう。悪いけど次で良いよね!
帰るから送って。



信ちゃんの同意を求めず、さっさと助手席に座った。

そして信ちゃんが話す隙を与えないくらい家に着くまで喋り続けた。
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