胡蝶蘭
眠い目を無理やりにこじ開ける。



早く来てくれ偉槻~。



駄目だ、眠い…。



身体が言うことをきかない。



再び横になった誓耶は、次の瞬間にはもう眠りに落ちていた。



と、突然勢いよく障子が開いた。



偉槻か?



それとも、店長か?



覚醒しない頭で予想するも、聞こえてきたのは聞きなれない声だった。



「ちょっと起きなさいよ。



尖った声。



誓耶はパッと目を覚まして身体を起こした。



「あんたか…。」



せっかく気持ちよく寝てたのに。



「何。」


「何、じゃないわよ。」



眉根にしわを寄せ、茉理子が誓耶をねめつける。



「なんであなたがここにいるの?」


「だから、あたしの勝手だろ。」


「帰りなさいよ。
どうせ、イツキを待ってるんでしょうけど、無駄よ。」


「なんで無駄?」



面倒だな、と誓耶は頭を掻いた。




< 261 / 366 >

この作品をシェア

pagetop