胡蝶蘭
「ほれ、ポテト持ってきたぞ。」


「わ、ありがと。」



大好きだ、ポテト。



「でも、いいのか、こんなに。
普通に買ったら400円くらいするだろ。」


「いいんだよ、偉槻の彼女なんだから。」


「…なんか人にそう言われると照れる。」



さっき散々自分で言ったのに、誓耶は頬を赤らめて言った。



「初々しいねぇ。
ま、遠慮なく食べちまえ。」


「うん、ありがと。」


「ところでよぉ。」



途端に店長は真剣な顔つきになった。



「さっき、あの女がここから出てくのが見えたんだが、俺の見間違いか?」



誓耶には見せたことのない怖い顔をして、店長は誓耶を見据える。



誓耶は竦み上がった。



「答えろ。
何された。」


「何も…。」


「嘘つくんじゃねぇ。」



誓耶は黙って手元に目を落とした。



店長は大きなため息をついた。



「いいか、俺ぁお前を心配して言ってんだぞ。」


「うん…。」


「何があった。
大体お前、俺に嘘つこうなんざ一万年早ぇんだよ。
鏡見てみろ、てめぇの頬赤いんじゃねーかよ。」



あ、叩かれたんだった。




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