胡蝶蘭
ポテトを二つの山に分けたときだった。



また、ガラッと障子が開いた。



また店長が差し入れ持ってきてくれたのかな。



いいよと断ろうと振り向いたが、立っていた人物は店長ではなかった。



「あの、お兄さん。
部屋間違ってんよ。」



指を舐めながら言うと、男はにっと笑って上がりこんできた。



「いや、合ってる。」


「何…?」



何か、嫌な予感がして、誓耶は腰を浮かせた。



「茉理子って女に雇われた。」


「は?」



茉理子?



「お前を苛め抜けって。」


「は?」



なにそれ。



やだやだ、こっち来んな。



テーブルを挟んで、二人はにらみ合う。



その間に、誓耶は壁側に追いやられてしまった。



くっそ…。



隙を窺うが、男の目は誓耶から離れない。



店長、助けて。



今、もう一回顔覗かせてくれ…。




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