胡蝶蘭
ゴメンナ…
*
偉槻はどさっと乱暴にベッドに倒れこんだ。
まだあいつは悪夢を見るらしい。
どうしたらいいんだろう。
正直、偉槻にできることは何もない。
隣で肩を抱いてやれる程度だ。
どうしたもんかな…。
最近は学校にも行ってないらしいし。
完璧にあいつの生活を狂わせた。
あいつが好きだ。
今、誰よりも、誓耶が好きだ。
一番あいつの幸せを願ってる。
…なのに、俺があいつを不幸にしてる。
護ってやるなんて、どの口が言った。
あの事件のあとも、ずっと苦しめている。
まだ、あいつが助けてと泣いた声が忘れられない。
偉槻はぐっと目を閉じた。
どうしたらいいんだろう。
今日会って思ったことだが、少しずつあいつの体力は横ばいになってきている。
昼を一緒に食べた時も、少しは食べるようになっていた。
が、弱っていることに変わりはない。
なんとかしたい。
でも、どうやって?
自分の呻き声が部屋に響いた。