胡蝶蘭

ゴメンナ…








偉槻はどさっと乱暴にベッドに倒れこんだ。



まだあいつは悪夢を見るらしい。



どうしたらいいんだろう。



正直、偉槻にできることは何もない。



隣で肩を抱いてやれる程度だ。



どうしたもんかな…。



最近は学校にも行ってないらしいし。



完璧にあいつの生活を狂わせた。



あいつが好きだ。



今、誰よりも、誓耶が好きだ。



一番あいつの幸せを願ってる。



…なのに、俺があいつを不幸にしてる。



護ってやるなんて、どの口が言った。



あの事件のあとも、ずっと苦しめている。



まだ、あいつが助けてと泣いた声が忘れられない。



偉槻はぐっと目を閉じた。



どうしたらいいんだろう。



今日会って思ったことだが、少しずつあいつの体力は横ばいになってきている。



昼を一緒に食べた時も、少しは食べるようになっていた。



が、弱っていることに変わりはない。



なんとかしたい。



でも、どうやって?



自分の呻き声が部屋に響いた。


















< 311 / 366 >

この作品をシェア

pagetop