胡蝶蘭
急いで頭も体も荒い流し、外に出る。



寒いったらない。



厚めのジャージを着て、さらにパーカーを羽織る。



「寒ぃ。」



ストーブをつけておかなかったことを後悔した。



テレビをつけると、やはり正月番組しかやっていない。



いくつかチャンネルを変えると、懐かしいドラマが再放送していた。



特にみたいものが見つからなかったので、そのドラマをつけっぱなす。



あまりにも部屋が暖まらないので、偉槻は布団にもぐった。



「寒いっつーの。」



毒づいてみるが他に誰がいるわけでもない。



声が部屋に反響しただけだった。



挨拶に行く親親戚もない。



偉槻は伸びをして、布団の中でうずくまった。
























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