胡蝶蘭
「俺が会いに行って話せば、すぐはっきりすることだよね?
百聞は一見に如かずって言うじゃない。」



昔の言葉を引用し、いかにも自分が正しいかのように匡は話す。



「だから、俺は誓耶の監督責任者として、真実を確かめにいくだけ。」


「別に、あんたはあたしの保護者でもないじゃないか。
あたしに男がいようといまいと、あんたには関係ない。」


「あるって言ってんでしょ。
わかってないなぁ。」



これ見よがしに、匡は深いため息をついた。



「まぁ、行ってくるから。
間違っても邪魔なんかしてくれるんじゃないよ。
…どうなるかわかってるよね?」



どうしよう…!



必死で考える。



男、男と頭を巡らせ、思いついたのは、一人。



「いる!」


「はぁ?」



部屋を出ていきかけていた匡が不審な顔で振り向いた。



「あたし、彼氏いる!」


「だから、今から確かめに行くっていってんじゃん。」


「慎吾じゃない人と、付き合ってる!」



また、部屋から半分出かけていた匡がゆっくりと振り向く。



「…誰?」


「…い、言わない。」


「言いなよ。
怒るよ?」



冷たい睨みが飛ぶ。



誓耶は怯みそうになったが、ぐっと拳を握って首を振った。



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